ベンタブラックは黒色の塗料、顔料、布ではなく、カーボンまたはカーボンナノチューブで作られた数百万の信じられないほど小さなチューブを成長させた「森」です。ベンタブラックの「森」内の各ナノチューブの直径は約20ナノメートル（人間の平均的な毛の直径の約3,500分の一）で、通常は約14ミクロンから50ミクロンの長さです。コーティング表面積1 cm2は約10億本のナノチューブから構成されています。

ベンタブラック S-VISは、スプレーベースの工程でコーティングを行うオリジナルのベンタブラックコーティングのバリエーションの一つで、世界で最も黒い塗料と言われています。ベンタブラック S-VISはカーボンナノチューブから製造されますが、オリジナルのベンタブラックとは異なり、カーボンナノチューブは非常に短く、化学的に結合すると、EMエネルギーを吸収するのに非常に効率的なサンゴ礁の表面のような多孔質構造を形成します。電磁スペクトルの一部では、ベンタブラック S-VISはオリジナルのベンタブラックほど暗くはありませんが、可視域では、並べて見たときにどちらがどれであるかを判別することは非常に困難です。浅い角度では、オリジナルよりもさらに暗くなります。この特性から、バッフルやコールドシールドなどの複雑な3Dオブジェクトに非常に適しています。

ベンタブラック S-VISは、ハイレベルな吸収を実現するために複雑な後処理を必要とするため、お客様が自分でコーティングするためのスプレー缶または溶液での入手は出来ません。

英国の輸出管理規制に準拠するために、お客様の身元と資格及びベンタブラックの応用内容を確認する必要があります。ベンタブラックのサンプルを注文できるのは、認められた企業、研究施設、教育機関のみです。現在のところ、ベンタブラックは個人様にはご利用いただけません。個人様のメールアドレスからの注文は受け付けておりません。

サリーナノシステムズ社の日本代理店オーシャンフォトニクス㈱までご連絡下さい。

可能です。
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ベンタブラックは、サリーナノシステムズ社が所有する世界的に登録された商標及び認知されたブランド名です。お客様が自社製品にベンタブラックの名前を使用する場合には、サリーナノシステムズ社からの書面による許可が必要です。

ベンタブラックの表面に当たる光エネルギーは、ナノチューブ間のスペースに入り、チューブからチューブに「跳ね返る」を繰り返し急速に吸収され、チューブの直径とチューブ間のスペースに対してチューブが非常に長いことから光エネルギーは反射して表面に出てくることが出来ません。反射がほとんど無いため、ほぼ完全な黒い表面を実現します。この特性を理解するには、通常の10メートルから20メートルではなく、樹木が3キロ程の高さの森の中を歩くことをイメージしてみて下さい。外の光がどれだけあなたに届くかは想像できるはずです。

ベンタブラックは、その製造方法により、一般的にアートでの使用には適していません。ベンタブラック S-VISは、その美的効果を達成するために専門の知識も必要とします。さらに、可視域外のコーティングの特性により、英国輸出規制の対象となるデュアルユース品目として分類されます。そのため、ベンタブラック S-VISをKapoor Studios UKのみにライセンスして、芸術作品での使用を検討することにしました。このライセンスは、芸術分野でのコーティングの使用を制限しますが、他の分野には適用されません。
詳しくはサリーナノシステムズ社の日本代理店オーシャンフォトニクス㈱までご連絡下さい。

実際、表面から反射する光はほとんどないため、ベンタブラックを「見る」ことはほとんど不可能と言えます。ただし、観察者の脳は見ているものを理解しようとするため、その表面を穴ととらえて、それを覗き込んでいるかのように説明します。ここにあるアルミニウム箔は、片面にベンタブラックがコーティングされる前に、ランダムな折り目が付けられ、しわが寄っています。コーティングされていない表面では、しわがはっきりと見えますが、コーティングされた表面は完全に平らな黒い表面または単なる穴のように見えます。ベンタブラックの表面から反射される光のほとんど無いため、目が表面の形状を判別することは困難です。その他の例については、写真ギャラリーとソーシャルメディアチャンネルをご覧下さい。

初めてベンタブラックを見た人が、その表面に触れたい衝動があると言います。ただ、これが良い考えではない理由はいくつかあります。まず、ベンタブラックの表面は、直接的な衝撃や摩耗によって簡単に損傷します。第二に、ベンタブラックは主に自由空間で構成されており、ナノチューブは直接接触に対する抵抗力がほとんどありません。よって、手触りの感覚は、コーティング下にある基板表面に触れるようなものです。

ベンタブラックは、ナノチューブの「森」を成長させるために、表面温度を430ºC以上に上げる強力なランプの配列の下で、特別に設計された化学蒸着室内で実際に「成長」させます。世界で最も暗い物質の生産には光が使用されているのです！

間違いなく驚くほど見栄えの良い車になりますが、残念なことに、直接的な衝撃や摩耗に対するベンタブラックの制約により、ほとんどの人にとってこれは実用的ではありません。実現出来たとしても、信じられないほど高価になります。

ベンタブラックは、ファッション衣類での使用や、肌に触れる用途には適していません。

オリジナルのベンタブラックは、揮発性成分がほとんどない、融点が約550℃以上の材料に適用出来ます。ベンタブラック S-VISコーティングは、広範囲の材料に適用できます。
特定の材料についてはお問い合わせ下さい。

はい、適切なアプリケーションであれば安全です。WHOの国際がん研究機関（IARC）は、発がん性物質のリストと調査を行うグループで、カーボンナノチューブを「ヒトに対する発がん性について分類できない（グループ3）」と分類しています。HTTP://WWW.NANOPARTIKEL.INFO/EN/NEWS/1838-IARC-EVALUATE-THE-CARCINOGENICITY-OF-CARBON-NANOTUBESを参照して ください。これは、2014年11月からの最新の調査です。

安全への継続的な取り組みの一環として、私たちは常に最新の科学研究を監視し、すべての国際的な安全基準に準拠しています。粉末状、紛失、または「遊離」のカーボンナノチューブは、目、および肺に十分な量を吸入すると刺激性があることが知られています。MSDSを参照してください 。ナノ材料の取り扱いに関する詳細な使用ガイドラインとアドバイスについては、当社の技術部門にお問い合わせください。

はい。S-VISは、非常に短い多層カーボンナノチューブ（通常5ミクロン未満）を使用し、オリジナルのベンタブラックとは異なる製造プロセスになります。化学的に「結合した」サンゴ礁の表面ような多孔質構造を形成します。結合した表面から個々のチューブが放出されるケースはありませんが、全てのナノ構造体と同様に、適切な用途に使用する必要があります。